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生きる


企画●本木荘二郎
脚本●黒澤 明/橋本 忍/小国英雄
撮影●中井朝一
美術●松山 崇
音楽●早坂文
録音●矢野口文雄
照明●森 茂
出演●志村喬/小田切みき/小堀 誠/金子信雄/千秋 実/菅井きん/宮口精二/加東大介 ほか
1952年度 東宝作品 143分

 自分が胃がんに冒されている事を知った公務員の生きざまを通して、人間の真の生き甲斐を問うたこの作品は1953年度のベルリン映画祭銀熊賞を受賞。世界の映画史上にも名高い作品となった。
 当時「僕は時々ふと自分が死ぬ場合のことを考えて居ても立ってもいられなくなる。もっと生きているうちにしなければならないことが沢山ある」と実感していた黒澤監督は、文豪トルストイの「イワン・イリッチの死」を読んで心うたれる。そして無意味な生き方をしていた人間が、死に直面して初めて、自分がまるで生きていなかったことに気づき、残された時間を懸命に生きようとする、いわば“人間の軽薄から生まれた悲喜劇”を語ろうと思い立つ。
 ほんの端役に至るまで、全ての登場人物に性格のはっきりとした一線級の俳優を起用したのは当時では異例のことだったが、この黒澤の方針は作品に重厚感を与え、『生きる』が傑作として揺るぎない評価を得る土台となった。なかでも主人公を演じた志村喬は、この一作で世界にその名を知られる名優としての地位を確立し、ブランコに乗って「ゴンドラの唄」を口ずさむシーンは多くの人々に感銘を与えた。



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